開業時にやるべきこと⑥(登録関係の手続きをする)

登録関係の手続きをする
国家資格の場合、色々と登録関係の手続きをしないと仕事そのものがスタートできないですよね。
鑑定士の場合だとどんな手続きが発生するのかというと
- 鑑定業者の免許の交付申請(都道府県知事)
- 鑑定士の登録内容の変更届(国土交通省地方整備局)
- 日本不動産鑑定士協会連合会への入会届、鑑定士の登録内容の変更(日鑑連)
- 各都道府県の協会への入会届(各都道府県の協会)
- 各エリアの連合会への入会届(各エリアの連合会)
リアルな話、手続きだけで1~2日ぐらいは余裕でかかります。
そもそも、何をどこに問い合わせればいいのかを調べるだけでもすごく時間がかかるんです。
いやー、サラリーマン時代は「母ちゃん」みたいな面倒見のいいベテラン事務員さんがいて、事務手続きは何から何まで全部やってくれてたんですよ。だから、こんなに手続きが大変だったなんて知らなかった…。離れてからわかる母の偉大さ。
みなさん、お母さんのことは大切にしましょう( ˘ω˘)
鑑定業者の免許の交付申請(都道府県知事)
開業したらまずは、鑑定業者の免許登録を申請しましょう!
もちろん、開業時にやるべきこと③(税務処理関連の準備をする)でお話した「開業届」とは別ですよ。(これは税務署への単なる申告)
今回は、正式に鑑定業を行うための免許の交付申請です。
言わずもがなですが、
国土交通大臣免許→事務所が複数の都道府県にまたがる場合
都道府県知事免許→事務所が1つの都道府県内だけの場合
です。
たぶん、開業時から国土交通省大臣の免許申請をする方はほぼいないはずなので、本稿では都道府県知事免許についての話をしていきたいと思います。
順を追って説明すると、
まず、免許の交付申請のタイミングですが、
前職を完全に退職してから(籍がなくなってから)
になります。
前職の退職日が3/31なら翌日4/1以降に申請可能です。
細かい補足ですが、専任の鑑定士(所属業者内でサインができる人)として所属できるのが1つの業者のみなので、こういうルールがあります。
これは各都道府県によって異なるので、必ずネットで検索してください。
東京都の場合だと、都庁の東京都住宅政策本部が申請窓口になります。
- 申請書類(記入例あり)
- 添付書類
- 登録申請料(各自治体によって異なります。収入印紙での支払い)
- 申請方法(東京都は郵送不可。窓口にて直接申請するか、オンライン申請のみ。これも各自治体によって異なります)
- 申請から登録完了までの期間(およそ2週間程度のはずですが、必ず確認しましょう)
上記を確認、準備出来たら申請しましょう。
ちなみに、前職在職中でも事前に申請書類のチェックをお願いできる場合があるので、窓口の方に相談してみてください。
(くろーずの場合は事前チェックをやってもらえたので、退職日の翌日に申請ができました)
しばらくすると、申請先の自治体から登録完了通知が届くので、それを持って、業者登録は完了です。
業者登録が完了したら残りは同時並行で申請できます。
鑑定士の登録内容の変更届(国土交通省地方整備局)
開業したら、当然所属業者が変わるので、国土交通省の各地方整備局へ変更届を出す必要があります。
各問い合わせ先、申請書類等についてはこちら
確認事項は以下の通り。
- 申請先(東京都ならさいたま新都心にある関東地方整備局)
- 手数料として1,000円分の収入印紙
- 申請方法は基本郵送でOK(念のため各自ご確認ください)
- 処理期間は3週間程度
申請書類に不備等がなければ後は登録手続きが完了するのを待てばOK。
日鑑連への入会届、鑑定士の登録内容の変更
必須ではないのですが、日鑑連に入会しないと取引事例の閲覧ができないので、普通に考えたら入会するかと思います。
入会の案内はこちら
確認事項は以下の通り。
- 業者会員(個人/法人)の入会申込書
- 添付資料1(顏写真2枚、不動産鑑定業者の登録通知の写し)
- 添付資料2(法人の場合は登記事項証明書等資本金額の確認できる書類の写し)
- 申請方法は日鑑連の総務課宛てに郵送
入会申込書の受付が完了すると、「入会承認通知」と「入会金及び通常会費の請求書」が届きます。
入会申込書の受付が完了すると、「入会承認通知」と「入会金及び通常会費の請求書」が届きます。
鑑定士一人の個人業者の場合、入会金75,000円、会費7,600円/月です。
前職時に鑑定士個人としての入会金(25,000円)を支払っている場合は差額を支払うことになると思われますが、詳しくは請求書にてご確認ください。
入会金については振込用紙が届くので、コンビニ等で支払います。
月額会費については口座振替依頼書が届くので、そちらでの手続きも可能です。
利用登録案内はこちら
入会金等の支払いが完了すると、「本会登録済証」及び「会員証」が届きます。
さらに、
- REA-Jirei利用申込書を提出済み(メールで提出可)
- 日鑑連の会員である
- 各都道府県協会の会員である
- 事例閲覧に関する研修を受講済みである
上記の要件を満たしていればREA-Jireiの利用に関する請求書が届きます。
事例閲覧基本料42,900円/年を納入を確認してもらえたら事例の閲覧が可能になります。
ちなみに、お使いのPCで初めてREA-NET(REA-Jirei)を利用する場合にはPCの設定が必要になります。日鑑連に問い合わせればマニュアルのURLをメールで教えてくれるので、必要に応じて問い合わせてみてください。
これは簡単にできます。
- 日鑑連への入会が完了後、日鑑連合HPから「会員の方」のタブをクリックしてログイン
- 左側のメニューから「会員登録情報」をクリック
- 「個人データ変更」をクリック
- 情報を更新して、画面下の「送信」をクリック
これで日鑑連の手続きは完了です。
各都道府県の協会への入会届(各都道府県の協会)
各都道府県には不動産鑑定士協会があります。ここにも入会しましょう(入会しないと事例が見られないので)。
東京都の入会の案内はこちら
確認事項は以下の通り。
(詳しくは必ず各協会に問い合わせてください)
- 鑑定士個人での入会手続きと鑑定業者としての入会手続きの両方を行う
- 申請方法(基本は郵送)
- 承認のタイミング(定期的に行われる理事会での承認)
- 入会金と会費の確認
上記がすべて完了すると会員証が発行されます。
各エリアの連合会への入会届(各エリアの連合会)
やっとこれで最後です。
HPがあったりなかったりですが、各エリアの不動産鑑定士協会の連合会もあって、そこにも基本的には入会してくださいと言われます。
(狭い村社会です。変な目で見られるとやりづらいので入会しましょう。研修等もやってくれますし)
各エリアの連合会の一覧はこちら
HPはあったりなかったり。新規入会の案内もあったりなかったり…。
各連合会で入会申込書のフォーマットや入会金の設定等が異なるので、各自問い合わせてみてください。
登録の手続き関係は以上です。
最初は事務手続きが多くて、嫌になりますが、これから本格的に営業活動を行っていく上で非常に重要なことなので、なんとか頑張ります!