開業時にやるべきこと①(場所を準備する)

場所を準備する
当たり前ですが、仕事をする場所が必要ですよね。特に国家資格の場合は、個人の住所、事業所等を届け出ないといけないので、必ず場所を確保する必要があります。
仕事場のパターンとしては、
- 自宅兼事務所
- 事務所を借りる
この2つに限られるかなと思います。
別にノートPC持ってカフェで仕事してもいいんですが、通常のカフェだと事業所として届出ができないです。そして何より、士業の場合はほぼ確実に守秘義務が絡むお仕事なので、「普段はカフェで仕事してます~」なんて依頼者に知られたらまず間違いなく信用を失います。普通にやめましょう。
自宅兼事務所の場合
今住んでいる家(賃貸でも所有でも可)を事業所として届出が可能です。この場合、次の事項にご注意ください。
■事業所部分がきちんと区切られているか
例えば宅建士の場合事務所については次のような要件があります。
・玄関から事務所まで他の部屋を通らずに行ける
・生活部分と壁などで明確に区切られている
・事務所としての形態が整えられ、それのみとして使用

こんな感じで、士業によっては物理的に独立性を求められる場合があるので、事務所としての要件の有無とその内容については必ず監督部署に確認しましょう。
ちなみに、国土交通省に確認したところ、不動産鑑定士の事務所については物理的な要件は特段備えていないとのことですので、自宅内であればどこでもOKみたいです。
■事業所として利用可能な家か
これはあまり気にせずやっている方も多いような気がしますが、賃貸の場合はオーナーに一部事業用として利用する旨を届け出た方が無難です。マンション等を所有している場合でも事業用として利用可能な物件なのか、管理規約等をよくよく確認した方がいいです。ちょくちょく来客がある場合だと事業用として利用していることがバレて後々トラブルになる可能性があります。
ちなみに、くろーずの場合、以前は賃貸マンションを自宅兼事務所として使用しておりましたが、このときは契約時にきちんと「貸室の一部を個人事業主の事業で使用する」旨を明記しておりました。後にマンションを購入したのですが、管理人さんにもヒアリングをして「(業種によるけど)事業で使用するのは問題ない」旨を確認しております。
■事業用部分の面積割合を把握する
これ、経費計上に関係してきます。
賃貸の場合:賃料や電気代等を使用面積割合に応じて経費計上可能
所有の場合:税金や住宅ローンの利子、電気代等を使用面積割合に応じて経費計上可能
(↑家事按分って言います)
きちんと経費の内容を整理できていないと、万が一、税務調査があった場合には大変なことになります。
ちなみに、くろーずの場合、事業用の面積割合が概ね10%なので、各種費用等の10%分を経費として計上しております。
経費計上についてはまた後日詳しくまとめたいと思います。
事務所を借りる場合
自宅の一室で仕事をするのが一番お手軽ですよね。
出勤時間ゼロだし、人に会わない日はお着替えもしなくてもいいですし。
でも、
- 子供が小さくて自宅だと仕事にならない
- 自宅と事務所を分けておかないと集中できない
- 弁護士等で来客が多い 等
様々な理由で外に事務所を構えたいという方も多いと思います。自宅の外に事務所を構えている人が多いのも事実なのですが、
次の点にご注意ください。
■事務所として利用可能か
区画の用途が「事務所」または「店舗兼事務所」となっていれば全く気にする必要がありません。
ただし、「マンションタイプ」で事務所として利用可能だと思っていて、いざ契約しようとするとできなかったなんてこともゼロではないので、物件探しの最初の段階でしっかり確認しましょう。
仲介会社に確認すればすぐにわかる内容のはずなんですけどね…
仲介の営業マンなんてめっちゃ適当ですから
自己責任だと思って気をつけてください。
その昔、くろーずも超適当に仲介の営業をやっておりましたので(;^_^A
■原状回復の内容について確認しましょう
賃貸を扱っている人ならわかるかと思います。
そうです。最もトラブルになりがちなのが
原状回復
です。
入居時ってあんまり退去時の原状回復のことを気にしないで契約しますよね?
でも、実際に退去が決まって精算のときに
「えっ!?」
って思うぐらい余計な費用まで積み増しされているなんとことがあります。そうならないように最初にしっかりチェックしましょう。
あまりに古い契約書とかでなければ、原状回復工事の内容と費用負担に関する条項が盛り込まれているはずです。基本的にはその内容に沿って退去時に精算が行われます。
ただ…
不動産業者を信用してはいけません。
住居用途の賃貸マンションだと実際にこんなことがあり得ます。
- 本来的には賃貸人が負担すべきもの(管球交換、クロス貼り替え)まで賃借人負担になっている
- そもそも原状回復の内容がかなり曖昧で、退去時に必要以上の金額を請求される
※原状回復の内容は入居年数等によって大きく異なるのでご注意ください。
「あり得る」というか、こんなの普通に行われています。
一方で、賃貸マンションと事務所等の事業用区画については原状回復の考え方がけっこう異なります。
結論、
事業用の方が原状回復費用が高い
です。
つまり、マンションタイプであっても、事務所用途で使用した場合には、居住用として使用した場合よりも原状回復費用が高くなるはずです。
なので、契約時には必ず確認しましょう。
原状回復についてはまた後日詳しくまとめたいと思います。
その他、個人名義で事務所を借りるにあたって審査に必要なもの、敷金・礼金、保証人(または保証会社)が必要かどうか、引越し業者、内装業者の選定等、確認事項が多々あるので、しっかり確認しましょう。
ちなみに、くろーずは、3~4年後ぐらいに近所にマンションタイプの事務所を借りようかなと思っております。自宅が一番なんですが、流石に狭いので(;^_^A
以前は、事務所の賃貸仲介の営業をやっていたので、事務所の探し方等についても後日まとめたいと思います。